知る人ぞ知る名作スポーツ漫画。才能とはあまりに理不尽。ピンポン

作品紹介

 はじめに

第5回の漫画紹介です。今回は1996〜7年にスピリッツ(小学館)で連載されていた卓球漫画「ピンポン」を紹介します。全5巻(全3巻の特装版もあり)となっており、一気読みできる量です。発行部数は頑張って調べたんですけど、昔の漫画すぎて分かりませんでした。許せ。では、紹介していきます。



ピンポン STANDARD BOX

 作品紹介

「ピンポン」はなんと言ってもW主人公のあだ名がペコの星野、あだ名はスマイルの月本。この2人の卓球を通した友情が魅力です。スマイルは才能はあるが、闘争心がなく勝つつもりで卓球をやっていません。一方、ペコも才能がありますが、負けたりすると卓球に対するやる気をなくしてしまいます。

 この才能がある2人がW主人公です。この2人が様々な壁を乗り越えて、だんだん本気で卓球に向き合っていきます。この展開が読んでいると本当に熱いです。青春をたかが2.5gのボールを追いかける卓球に注いだ少年たちの情熱が漫画から伝わってきます。

 ペコとスマイル、この2人と関わる他の登場人物も全員素晴らしいです。才能のなさを努力で埋めようとするアクマ、常にトッププレイヤーとしての重圧を背負うドラゴン、中国の卓球から追い出されて日本に落ちこばれてきたチャイナ。この3人はそれぞれ卓球に対する信念があり、卓球に対する喜びや苦痛に共感できます。ピンポンは本当に無駄なキャラが誰一人いません。

 画風はかなり独特で始めのほうは読みにくいかもしれませんが、慣れてくると卓球のスピード感を完全に再現している演出、リアルな表情が伝わるキャラの感情。めっちゃ力強い絵に引き込まれます。

 特に好きなシーンを一つ紹介します。

ピンポン 5巻より引用

 これはペコvsスマイル、漫画の主役同士の対決前のシーンです。このペコの絶妙な表情がいいですよね。あえて、表情を出さずに読者の解釈に委ねている。それでも読者の勝手な想像から、ペコのスマイルとの対決に向けたやる気が怖いほど表現できています。リアルな画風のメリットを最大限に活かしています。これは名シーンですね。

 他にも、ピンポンには登場人物の心理描写が秀逸なシーンがたくさんあります。スマイルやペコ、アクマたち、それぞれが持つ卓球に対する嫌な思いがダイレクトに伝わってきます。その嫌な思いを互いに本気で戦うことで克服していきます。ピンポンは卓球を通して皆が成長している感があって、それがこの漫画がこんなに好きな理由です。見た目がカッコ良いキャラはいません。かわいいキャラもいません。女はババァしか出てきません。でも、それぞれが卓球に持つ思いに共感できるからもう、キャラ全員好きになります。嫌いなキャラはマジでいません。



 最後に

こんだけ語れたら、満足です。ピンポンの魅力はなんとなくでも理解して頂けたと思います。

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 ピンポンって凄いですよね。実写版、アニメ版、どっちも面白いです。原作の漫画のクオリティを損わず、実写、アニメの特色を生かして独自の要素を上手く足しています。実写化、アニメ化両方成功したのはピンポンぐらいです。そんぐらい、ピンポンが面白いってことですね。

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